ABOUT SLS
学府長 挨拶
SLSの必要性
なぜ、私たちのように、生命科学に特化した学際的大学院教育が必要なのでしょうか。現在、世界的に多くの社会システムが行き詰まり、新しいシステムが求められています。産業においても、石油を基盤としたこれまでの産業体系は根本的に変革が求められています。特にわが国を始め、世界中の国々で高齢化が進み、健康で幸福な生活をささえるイノベーションが求められています。
このような中、現在最も期待されているのが生命科学を基盤とする分野です。生命科学は今後、あらゆる産業の基盤になると考えられ、そこでイノベーションを起こせる人材が求められています。ただ、そのような新しい社会価値は、生物学、あるいは工学といったひとつの分野だけでは成立しません。むしろ、そのような分野という意識を持たず、関連する物事を自由に吸収できる人材が必須です。
わが国では科学技術という言葉が用いられますが、科学と技術は全く異なるものです。技術は物事を成立させる方法論であり、そこには分野というものができがちです。一方、科学は、ものの考え方であって本来そこに何の分野も存在しないものです。これからの新しい世界を作り上げるには、サイエンスにより真理を求める心を持つ人材が必要です。
システム生命科学府は、この目的のために、ライフサイエンスに関連する真の研究者を育成することを目指す、九州大学の生命科学研究のハブ拠点です。私たちと共にぜひ、新たな生命科学研究を創生し、新しい世界を切り拓いていきましょう。
システム生命科学府長 林 健司
システム生命科学府(SLS)とは
九州大学大学院システム生命科学府は、「医学・生物学」と「情報科学・工学」という複数の素養を持つ学際的な人材を養成するために、2003年に発足しました。2021年の再編を経て、現在の4講座編成になっています。
システム生命科学府の教育には、以下の4つの特徴があります。
(1) 5年一貫制博士課程を採用した学際的な大学院
(2) 基礎から応用に渡る生命科学を包括する教育組織
5研究院、2研究所、1センター、及び1教育院に所属する教員が教育を担います(組織図参照)
(3) たすきがけ教育
多様な分野からの出身者に対して学際教育を施すために、まず出身分野とは異なる分野の基礎知識を習得し、その後、専門知識の深化を図ります。
(4) 生命倫理教育