九州大学大学院システム生命科学府

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DIVISIONS

脂質細胞生物学

池ノ内 順一
(いけのうち じゅんいち) 教授 伊都地区
教授
大学院理学研究院 生物科学部門

我々は、上皮細胞の細胞接着構造および細胞極性形成に関するタンパク質に関して研究を進めてきた。これらタンパク質の研究に加えて、細胞膜のもう一方の主たる構成成分である脂質にも焦点を当てて、上皮細胞の細胞接着や極性形成の分子機構の全体像を明らかにしようとしている。細胞膜脂質は、数千種類にも及ぶ多様な分子種で構成されているにもかかわらず、その細胞内局在や機能について現在なお不明な点が多い。研究ツールの開発も視野に入れて、独創性の高い成果を目指したい。また正常な上皮細胞の研究から得られた知見を元に、上皮細胞の異常によっておこる癌や線維症などの病態の解明を目指している。

九州大学システム生命科学府の生物科学部門脂質細胞生理学(池ノ内)研究室の紹介動画です。

松沢 健司
(まつざわ けんじ) 講師 伊都地区
講師
大学院理学研究院 生物科学部門

上皮細胞の細胞集団が互いの細胞間接着を維持したまま方向を定めて運動する現象(集団細胞運動)は、個体発生や器官の形成においてみられる重要な生命現象の一つであると同時に、がんの浸潤や転移といった病態とも深い関わりがある。しかし、細胞集団が速度や方向性を複数の細胞にまたがって同調させる分子メカニズムについては不明な点が多い。私は、細胞間接着装置を切り口として、細胞間の様々なコミュニケーションの分子機構の解明に取り組んでいる。